理事長 | 宮園 浩平 東京大学大学院医学系研究科分子病理学分野教授 |
平成24年7月より曽根三郎・前理事長の後を受けて新理事長を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いします。
日本がん分子標的治療学会はがん分子標的治療研究会として平成9年に第1回総会を開催し、平成20年11月1日付けで、日本がん分子標的治療学会と発展的に名称変更されました。初代理事長の鶴尾 隆博士は設立当初からリーダーシップを発揮し、日本がん分子標的治療学会となった後も陣頭に立って学会の発展に尽力してくださいましたが、平成20年12月16日に志半ばでご逝去されたことは非常に残念であり、本学会にとっても大きな損失でありました。その後、第2代理事長に曽根三郎博士が就任され、曽根博士の多大なるご尽力のもと、本学会は幸いにも極めて順調に発展して参りました。第3代理事長に就任するにあたり、鶴尾、曽根両博士が発展させて来られた日本がん分子標的治療学会を更に発展させていくことができるよう、努力していきたいと考えております。
日本がん分子標的治療学会が学会として大きく飛躍していくには、鶴尾・曽根の両理事長がこれまで積極的に取り組んで来られた産官学の連携、トランスレーショナルリサーチの推進、国際的なグローバリゼーションの推進を今後も基本的な方針として継承していくことは言うまでもありません。本学会の大きな特徴の一つは産業界から多くのご参加をいただいていることであり、産学連携を通じて日本のがん分子標的治療研究をいかに発展させて行くかが求められております。これまで通り6月の学術集会に加えて、今後も1月のTRワークショップを継続して開催することにより、産学連携とTRの発展を目指して行きたいと考えております。また国際的なグローバリゼーションについても、今後も海外との交流をますます盛んにすることを目指して、検討を進めて行きたいと考えております。
本学会ではこれまで副理事長3名がおかれておりましたが、運営をより効率的に行うために副理事長制を廃止し、今後は三つの委員会(総務委員会、財務委員会、学術委員会)を中心に運営していくこととなりました。また、このほか、研究奨励賞選考審査委員会、倫理・利益相反委員会、広報委員会、選挙管理委員会が設置されており、今後も活動を行って参ります。本学会は設立当初からお世話頂いている公益財団法人がん研究会がん化学療法センターに引き続き事務局を設置しております。同センターのスタッフの方々にボランティアに等しい形でご尽力頂いておりますが、今後も本学会の基本姿勢として会費並びに参加費負担を出来るだけ抑え、若手会員が参加しやすい学会を目指していきたいと考えておりますので皆様のご協力をお願いいたします。
平成24年6月27日~29日に北九州市で河野公俊会長のもとで開催された第16回学術集会は500名を超える参加者を集め盛会のうちに終了しました。また今回は本学会の初めての試みとして市民公開講座を6月30日に北九州市で開催しましたが、200名を超える参加者を集めて大成功にうちに終了しました。がん分子標的治療に対する社会の関心がさらに大きくなっていることが伺えます。本学会は比較的限られた規模であることから大都市だけでなく地方でも学術総会を開催できることが特徴でもあります。今後も本学会の特徴を生かし、次世代に向かって大きく飛躍するように微力ですが、努力したいと決意いたしております。会員の皆様方にはご協力並びにご支援の程よろしくお願い申し上げます。
(平成24年7月)