「がん分子標的治療研究会」は回を重ねるごとに内容が充実してきています。その背景としては、多くのがん関連分子が同定されつつあること、臨床サイドからのより有効な治療法確立の要請により、がんの分子標的療法への期待感が年々増大していることに加え、本会では各セクションのモデレイターによる適切な要約と活発な討論によるものと考えられます。次回のがん分子標的研究総会に関して、幹事会では基礎的研究の成果 を如何に臨床に導入すべきか、また臨床サイドからは如何なるがん研究に期待が寄せられているかを議論する場として、がんの基礎研究者と臨床家による合同シンポジウムが持てないものかとの多くの御意見が寄せられました。この件に関しては、本邦における腫瘍医育成と健全な治療研究の在り方の確立を目的とした研究会として実績を示している「日本臨床腫瘍研究会」の幹事会でも同様な気運が高まり、今回は名古屋国際会議場にて、会期を一日延長して、2000年(平成12)6月15日 (木)、 16日(金)、17日(土)の三日間とし、前半の一日半は、「がん分子標的治療研究会」としての公募演題を発表頂き、後半の一日半は「第13回日本臨床腫瘍研究会(会長:新津洋司郎札幌医科大学教授)」との合同シンポジウムとして開催することが両研究会の幹事会で承認されました。 シンポジウムとして企画致しましたのは、1) 「 臨床導入が開始された分子標的治療法」と題して、血管新生抑制剤、シグナル伝達抑制剤、免疫抗体療法などをとりあげ、基礎研究、開発研究、臨床導入の現況から将来性を展望する。2)「 がん薬物療法におけるEBMの確立」と題して、主要臓器癌における治療のEBMを査定・評価したいと思っております。 このような画期的な企画を立てることが出来ましたのも、「がん分子標的治療研究会」及び「日本臨床腫瘍研究会」の幹事・会員の皆様の御好意と熱意の賜物と感謝致しております。名古屋での合同研究会へ多くの会員の御参加を頂き、活発な討論より、実践を目指した分子標的治療法研究の着実な一歩としたいと思っておりますので宜しくお願い致します。 名古屋で「がん分子標的」の会員と「日本臨床腫瘍研究会」の会員が一同に会することができることを楽しみに致しております。
会 期: 2000年6月15日(木)・16日(金)・17日(土)
会 場: 名古屋国際会議場
〒456-0036 名古屋市熱田区熱田西町1-1
TEL: 052-683-7711